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Cass Sunsteinnによる一連のエントリ
Lessig Blog(JP)で、シカゴ大学ロースクール教授のCass Sunsteinnによる興味深い一連のエントリがあがっている(ここに一覧がまとめられている)。日本語版にtrackbackを打っても仕方ないし、英語でコメント出来るわけでもなし、そんなに深い考察もないのだが、一応、一連のエントリが終わったようなので、少しコメントしようと思う。

ウィキペディア・価格・ハイエク」では情報の集約について、Wikipediaでの情報の集まり方を、市場メカニズム、つまり価格を情報として使って情報が集約していく過程と比較している。価格理論が言っていることは、「財・サービスに関する個々の主体(エージェント)の嗜好」という情報をprice mechanismは集約(aggregation)できるということが通常の理論的帰結であろう。Wikipediaは、多くの場合でうまくいっていることを認めないわけではないけれども、incentive mechanismがはっきりしない中で「正しい情報」のaggregationがうまくいく理由は単純ではない。いくつかCass Sunsteinnの言っていることに同意はするけれども、かなり違う問題をメタファーを使って似ていると主張しているように見える。

Wikipediaの面白い点は、多くの人の加筆・訂正して少しずつ正しい知識が蓄積していくことだ。僕が興味深いと思う点は、知識というのは、もちろん新しい知見が積み重ねていく可能性があるが、静的なものであるように思える。これに対して、正しく言うことは難しいが「思考」というものはもう少し動的なものである。僕の興味は、静的な「知識」を膨大に溜め込んでも、動的な「思考」にはならないのではないだろうか、という点にある。「集団知」という言葉を聞くが「知」という言葉には「知識」と「思考」が混ざっているように思える。つまり、僕のイメージでは、現在ある「知識」をどんなにたくさん集積しても、新しい「知識」は生まれてこないのではないかと思うのだ。新しい「知識」が生まれるためには「思考」が必要で、「思考」は集積の結果としては生じ得ないもののように思える。しかし、僕が間違っているかもしれない。
この一連のエントリでは「カスケード」という言葉が多用されている。「目撃されたカスケード」というエントリもある。この「情報カスケード」という言葉は、あまり聞きなれないのではないかと思う。いろいろ原点はあるのかもしれないが、ひとつはメキシコやアジアでの通貨危機を説明するために提案された仮説に基づいていると考えられる。投資家が現地の経済状況に関する情報について、持っている情報にばらつきがある場合、合理的に行動する投資家は、自分の行動を決定する際に、他人の行動を観察して、他人が持っていると推測される情報を、自分が持っている情報よりも優先して使う可能性があることが示された。ある仮定の下では、ひとりのbig playerが持っている情報のみが市場全体の行動を左右するのでinfomation cascadeと呼ばれたり、市場全体が同じ行動をするのでherd behaviorと呼ばれたりする。

重要なことは、事実と異なる情報が市場全体の行動を決定してしまうケース(つまりbig playerが間違った情報を持っている場合)があるという点である。アジア通貨危機で考えると、実際にはアジアの経済状況は悪くなかったのに、一部の投資家が経済状況が悪いという誤った観察を得てしまうと、それが市場全体でアジア発行の債券の売りにつながる可能性があるということを示した点が画期的であった。もちろん、この理論はどのような条件でこのような現象が発生するのか詳細に検討されたが、実際に通貨危機がこのような現象が生じた結果であったかどうかについては、現在でも結論が出ていないと思う。たくさんの実証的な研究が成果を挙げたが、はっきりした結論は得られなかった。肯定的な結果もあったが、否定的な結果もあった。その結論がはっきりする前に、多くの研究者の注目は通貨危機からの急激な回復の理由に向いてしまったようにみえる。もちろん、これは国際金融分野だけではなく、国内金融で歴史的にも観察される銀行預金引き出しパニックなども、同様の現象と考える研究もある。「カスケード」という言葉は、「滝」と訳されていたが、ネットワークのハブをカスケード設定にしたときのように、下流に情報が流れていくイメージの方が分かりやすいだろうか。

いずれにしても、このような発想に基づく考察が、ロースクールの先生によってなされていることが興味深いと思う。他の点でも(ハイエクの考え方とか価格理論とか)もともと法律分野だけでは生まれてこない、社会科学的な発想が多いように見受けられるが、そのなかでも先端的な研究成果を取り入れている点は注目されると思う。

最近、僕のblogは「社会科学とは」という検索が多くなっている。今週だけ見ると10%を超え、ここのところ1番だった「スターウォーズ」を抜いてしまった。昨年に書いたエントリが検索にかかっているようだ。なぜなのかはよく分からないのだけれども(笑)。
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