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スティールの抗告棄却と村上代表に2年の実刑
株式市場に重要となりそうな、2つの問題に裁判所が判断を示した。ひとつはスティール・パートナーズがブルドックソースの買収防衛策発動差し止めを求める仮処分についての高裁決定、もうひとつは村上ファンドの村上代表のインサイダー取引について2年の実刑とした判決である。村上ファンドの問題は、端的にインサイダー取引であるならば、実刑は免れないと考えられる。この判決がどうなるかは少々興味を持っていたが、2年の実刑は厳しい判断だと考えられるが、インサイダー取引は株式市場の信頼を損ねる重大な犯罪であることを考えると、村上氏がインサイダー取引をしたという前提では、妥当なものだと考える。

もうひとつの、スティール・パートナーズに対する高裁の抗告棄却の方は、もうすこし興味深い。結果は驚くにあたらないが、決定の中で東京高裁はスティール・パートナーズを「乱用的買収者」と認定した。この点はかなり重要であるように思う。
市場関係者もこの点に言及したものは多いが、今回の決定に当たって「乱用的買収者」であるとの認定が必要だったかどうかは疑問ではないかと思う。僕は、スティール・パートナーズが「乱用的買収者」ではないと主張したいのでもなく、高裁は仮処分を認めるべきだったと主張するつもりもない。ケイマン諸島(要はタックスヘイブン)に設立された投資ファンドが企業を経営する気がないのは当然であろう。しかし、それでも裁判所がある主体の意図を認定するのはもう少し慎重であるべきではないかと思う。

報道によると東京高裁は決定の中で「対象企業の経営に特に関心を示さず、ひたすら自らの利益だけを追求する存在」として「乱用的買収者」の認定をしたという。しかし、よく考えると株式市場の参加者の多くは、対象企業の経営をどうするかという問題に関心を持つよりも自らの利益を追求しているのではないだろうか。経営が悪ければ株式を売ればよいし、儲かると思うから株式を買うのである。それが公開された株式市場の参加者である。ただ、スティール・パートナーズは普通の参加者よりもすこしだけ規模が大きかったかもしれない。少なくともブルドッグソースの経営権を握れるだけの資金力を潜在的に持っていた。それでも、資金力が大きいという理由だけで株式市場に参加できる条件が変わるというのは、あまり合理的な判断とは思えない。したがって、東京高裁が示した理由では「乱用的買収者」とする根拠が薄弱であるように思われる。

ここからは憶測であるが、株主総会の特別決議で買収防衛策が認められたのみでは十分でないという法律的な争いに持ち込むことにスティール・パートナーズの弁護士が成功したのではないかと思う。そのために東京高裁は一歩踏み込んで「乱用的買収者」と認定して抗告棄却をせざるを得なかったのかもしれない。それでも、その認定を避けて抗告棄却する道を高裁は探すべきであったのではないかと思う。

確かに、ケイマン諸島の投資ファンドは胡散臭い存在には違いない。しかし、そのような投機的に行動する投資ファンドにも、望ましくない企業経営者を市場から退出させて、コーポレート・ガバナンスを適切にする可能性がある。それが、「ひたすら自らの利益だけを追求する存在」が参加する株式市場のあり方かもしれない。今回の決定のように投資ファンドであるという理由だけで「乱用的買収者」と認定してしまうのは、結果として企業経営者を保護しすぎる可能性がある。実際、ブルドッグソースの買収防衛策は、現経営陣が会社のお金を払って自らの地位を保全するという性格を持っている。今回の決定は正しいとしても、スティール・パートナーズのような存在を簡単に切り捨ててしまえるような株式市場の確立は、バランスを欠いたものとなり得る。その意味で、高裁の「乱用的買収者」の認定は行き過ぎた判断かもしれない。

もちろん、今回の裁判所の認定は正しいものである可能性もある。それでも、過去にも裁判所の判断による市場の歪みが問題になった例はいくつもあるのだから、市場のバランスに影響する法的判断は、司法府は慎重であるべきだと考える。

8/8 追記:
最高裁は8月7日に、スティールが「乱用的買収者」であるとの認定を避けて、スティールの主張を退けた。
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